福祉事務所の利用の仕方

いのちと暮らしを守るとりで福祉事務所活用法

1 福祉事務所とは

市町村などの自治体の第一線で、福祉についての仕事やサービス全体を行っているところです。住民から見ると、自分たちの「いのちと暮らしを守るとりで」といえます。自治体の仕事の中で、福祉を守り増進することは最重要な仕事です(地方自治法)。その意味では、自治体の各部門の中でも、一番重要なセクションといえます。

2 どんな仕事をしているの?

具体的には以下のような相談やサービスの仕事をしています(自治体によっては、福祉事務所ではなくて他の課で担当しているところもあります。いずれにしてもそこの県や市町村のどこかで行われている業務です。但し、自治体によっては行われていない制度もあります)。

生活に関するもの…生活の困った場合の相談。生活保護の相談・申請(詳しくは別項参照)。また、生活福祉資金の貸し付けや自治体独自の貸付相談など。

子どもに関するもの…乳幼児への医療費助成制度。保育所の入所や、入所できない場合の保育施設の紹介。子どもの問題行動、虐待、不登校などの相談。児童手当制度(3歳未満の子どもについての手当)、高校修学費用の援助制度など。

母子世帯に関するもの…児童扶養手当(母子家庭や父が障害者の家庭のの子どもへの手当)。
母子貸付(母子家庭向け子どもの高校修学資金貸付など)。母子家庭への医療費助成制度。母子寮(母子生活支援施設)の紹介など。公営住宅優先入居手続き。緊急一時保護(いわゆる「駆け込み寺」)の紹介。平成22年8月からは、父子家庭も対象になりました。

知的障害者・身体障害者…障害者全般にわたる相談やサービス紹介を行っています。障害者手帳の発行。障害者への医療費助成制度。車いすなどの生活用具の支給。ホームヘルパーの派遣。働く場や生活の場である各種施設の紹介。公営住宅優先入居手続き。住宅改造費助成制度。運賃割引制度(JR、高速道路、航空運賃など)。福祉タクシー。税金の減免。NHK受信料免除。

高齢者…2000年4月から、高齢者福祉サービスのうち、介護に関する部分の多くは、介護保険に移りました。したがって、介護に関する相談は介護保険でまず受け止めることになります。しかし、介護保険だけでは高齢者の介護問題にすべて対応できるわけではありません。また、介護以外の高齢者福祉の分野も多くあります。例えば、老人医療費助成制度(65歳以上老人などへ)、一人暮らし老人の安全を守る緊急通報システム、布団の上げ下ろしができる程度の比較的元気な高齢者の入所施設である養護老人ホーム入所の相談、社会参加・生きがい対策(老人クラブなど)。

3 活用法

「お役所」というところは、とかくいかめしく、敷居の高いところと見られがちです。しかし、本来、役所は、その字の通り「(住民に)役に立つ所」のはずですし、そのために貴重な税金で運営されているところです。とくに、福祉事務所というところは、行政の中でも市民生活に直結した「ゆきとどいた相談と援護のできる」重要なセクションです。市民の側からすれば、生活やいろんな困難に困ったときに頼りになるところでなければならないところです。
制度やサービスも多くあり、利用しない手はありません。しかし、残念ながら、役所のPRが充分でないため制度を知らずに利用できていない住民もまだまだ見受けられます。気軽にどんどん足を運んで最大限に活用しましょう。